デザイナー志望の中高生必見!『色覚異常でもデザイナーになれるorなれない』答えはコレ!

「色覚異常」かつては「色盲」「色弱」。最近では「色覚多様性」と呼ばれていますね。
デザイナーにとって、色覚異常は有っても無くてもハードルであり、悩みの種だと思います。
今回は、色覚異常を持った人でもデザイナーになれるのか?を解説していきます。
同時に、ユニバーサルデザインについて参考になる記事をまとめました。
この記事は、デザイナー志望の学生など現役で働いていない人へ向けたものです。
また、わかりやすさの為に「色覚異常」で統一します。
色覚異常を持つ人でもデザイナーになれるorなれない?の答え
デザイナーと言ってもWebデザイナー・プロダクトデザイナー・イラストレーターなど様々です。
そして
色覚異常もP型・D型・T型・A型…更に「強度or弱度」「先天性・後天性」と人によって違います。
結論を先に書くと
各種デザイナーとして働く色覚異常の人は存在します。
だからと言って、望みの職業に就けると保証するわけではないです。
この問題は無責任に「大丈夫だから諦めないで」や「無理だから諦めろ」と言えるものではありません。
色覚異常と公表する人は少ない
「私は色覚異常だ」と公表するメリットは特にありません。
恥ずかしさやレッテル張りされる可能性を考えて言わない人が多いでしょう。
そのため「ずっと隠し続ける人」や「業務上の不具合が無く自覚症状も無い人」が存在します。
顧客が望んだものを提供するのがデザイナーですからね。色覚異常であろうが、相手が求めるものを提供できれば良いわけです。
言い換えれば、黙っていても気づかれないレベルの色覚異常であり、日常生活で支障があるレベルでは色彩に関する業務は難しいということでもあります。
公表している人とコミュニティサイト紹介
ネットコンテンツの普及やユニバーサルデザインへの意識で自ら公表する人も少なからず存在します。また、色覚異常のデザイナーが集まって作られたコミュニティが存在します。
一昔前だと探すだけで大変でしたが、社会で業務をこなす色覚多様性の方を探すことがとても楽になりました。
日本と海外を合わせいくつか紹介します。便利な時代ですね。
つくしあきひと
漫画「メイドインアビス」の作者であり、イラストレーターとして活躍している方。
インタビュー記事やPixivのコメント等で色弱と公表しています。
ほうじ | Color-Blindness Designer
リンク:note ほうじ | Color-Blindness Designer
noteで色覚とデザイン業務に関した記事を書いているデザイナーの方です。
日本語でもユニバーサルデザインの話は腐るほどありますが、自ら公表し記事を書いている人は少ないので参考になります。
Joe Rinaldiの記事
リンク:ユニバーサルデザインに関する色覚異常のデザイナーからのヒント(英語)
Joe Rinaldiという異常3色覚の2型3色覚(緑を感じにくい)でありながら、グラフィックデザイナー業務をこなすプロがユニバーサルデザインについて書いた記事です。
本人のユーザーページから各記事へ飛べます。
色覚異常のデザイナーになるのはどうですか?に関するQ&A
リンク:色覚異常のデザイナーになるのはどうですか?に関するQ&A(英語)
QuoraというアメリカのQ&Aサイトにて働くプロダクトデザイナーの方が色覚異常への質問を答えている記事です。
We Are Colorblind
リンク:We Are Colorblind(英語)
色覚異常の人が集まって作られたコミュニティサイト。
アプリやWebに関したユニバーサルデザイン等の記事が多めで参考になります。
他人と違ったアプローチが必要
一つ目、個人間での色覚のズレ
そもそも色覚異常だろうが、色覚健常だろうが「赤は赤であり、緑は緑です」
例えば、カラーコード「#ff0000」は何色ですか?と言えば誰もが「赤色」と答えるでしょう。
では、「この色(#ff0000)」と「この色(#006400)」どちらが赤色でしょう?と聞くとカラーコードから判断できますね。しかし、P型色覚異常の人にとって色彩だけでは判別が付きにくく迷いが生じます。
個人の慣れと症状により異なりますが、あくまで判断がしにくいってことですね。
そのため、カラーコードと言う明確な基準無く「なぜその色にしたのか?」「他の人と色を決めるときの話し合い(プレゼン)」など。
色に対する感覚のズレのせいで他者とのコミュニケーションに問題が生じる可能性があるということです。
もっとも、この問題は色覚異常の人だけでなく誰でも発生し得ることです。
色は光の情報を視細胞で受け取って脳で判断する現象です。名称や数値で表そうが、主観でしか判断できないものを説明するなんて不可能ですからね。
色覚健常の人は、色に対する認識のズレが少なく説明する手間も少なくて済みます。
色覚異常の人は、この問題に直面する機会が多く、説明も難しいことから慣れるまで相応の努力が必要になると言えます。
2つ目、色を間違えなく扱う技術
現代はデジタルツールの普及により、この問題は高いハードルでは無くなりました。
色覚異常の人が判別しにくい色でも、カラーピッカー等で「今何色を使っているのか」確認できますからね。
そして、色同士の組み合わせ(パターン)や流行など、目的によって使う色彩は大体決まっています。※多少の調整は必要ですが
色をデータや理論で理解して使うことにより、デザイナーに必要な色彩への洞察力が鍛えられるというわけです。
もっともこの問題も、デザイナーを目指すうえで誰でも必要になる学習の一つです。
つまり、色覚異常の人は、技術を覚えるにあたって、色彩へのアプローチの仕方が他の人と異なるってことですね。
デザインは、センス(感覚)だけでなく、理論・論理的に行うものです。
色覚異常だからムリではなく、技術や知識を覚えることがなにより大切ということです。
また、ミスをしてしまった場合、ツールだけのチェック作業はとても手間がかかります。他人に一部の作業をチェックしてもらうと便利かもしれません。
信頼できる人を作れるコミュニケーション能力も必要ですね。
3つ目、色彩を扱わないという選択
例えば、新聞広告などモノクロをメインに扱ったメディアに関した仕事を目指す。
色彩をあまり扱わない職を意識してみることも一つの手です。
といっても、現代では技術向上や求める声によりニッチ過ぎるかもしれません。
選択肢の一つですが、逆に選択肢を狭めるだけになる可能性があるので、オススメするわけではありません。
色覚異常は会社によってNGな場合がある
現代では、企業と学校による健康診断おける色覚検査は廃止されています。
これは「色覚異常は、日常生活に支障が無く障害ではない色覚の多様性である」としたためです。
…と言っても、義務じゃなくなっただけで検査を実施している企業はあります。
つまり、特定の職種に対して、検査に引っかかる場合は採用しない企業が存在するということです。
日本眼科医では、「色覚の異常の程度による業務への支障の目安」として次のように書かれています。
異常3色覚:映像機器の色調整、印刷物のインク調整、色校正、塗装業など色彩を重視する業務は困難。
2色覚:商業デザイナーの業務は難しい。
前述した「黙っていても気づかれないレベルの色覚多様性であり、日常生活で支障があるレベルでは色彩に関する業務は難しい」と一致するものがありますね。
雇ってもらえないとデザイナー業務が出来ない。フリーで働くとしても敷居が高すぎる。
これに関して、色覚異常は明確なハードルであると言えますね。
まとめ
以上が「色覚異常でもデザイナーになれるorなれない」の解説でした。
・色覚異常でもデザイナーとして働く人は存在する
・色覚異常は、技術を覚えるアプローチが違う。が、根本は同じ。
・日常生活/業務において支障が発生するレベルだと困難。
・企業により、就職に不利に働く可能性がある。
度々言いますが、無責任に「なれる」or「なれない」と言えるものではありません。
特に中高生にとって難しい問題です。
学校の「普通科の先生」や「あまり知識が無い人」は難しいから諦めろ!と言うでしょう。
デザイナー業務をこなす一部の人は、誰でもなれるから大丈夫だよ!と言うかもしれません。
諦める前に多くの情報を集めて知っておくことが大切です。
要は「最終判断は自分で決めるしかない」ってことですね。
SNSや特定のコミュニティ内で信頼出来るor同じ境遇を経験した人にアドバイスを聞いても良いでしょう。
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