気か利かない・気遣いできない人の特徴と出来る人なるための必須能力を解説

あなたは周りの人へ気遣いが出来ていますか?気遣いできる人はいますか?
『気が利く人』『さりげない気遣いをしてくれる人』は、何となくカッコイイイメージを持ちますし憧れる人は多いと思います。
この記事では、気遣いできる人が持っている能力とそれを鍛える方法を紹介していきます。
自分へも周りへもメリットが多い『気遣い』について参考になればと思います。
『気を使う』と『気遣い』の違い
新聞用字用語集によると原則として
「使い・使う」は一般用語、主に動詞形
「遣い・遣う」は限定用語、主に名詞形
例えば
・気を使う、言葉を使う、お金を使う、筆を使うは動詞形
・気遣い、言葉遣い、お金遣い、筆遣いは名詞形
※魔法使い、猛獣使いなどは慣用上「使い」が使われる
となっています。
一方、広辞苑では「使う・遣う」は同じ見出しで扱われ、意味も同じだとされています。
広く一般には「使」を用いる。金銭をつかう、心を働かせる、技や術を巧みに操る意のとき「遣」も用いるが、動詞形では、「気遣う」以外は「使」がふつうになっている。
どうやら「使う」と表記するのが一般的であり、慣用上では「遣う」を用いるということです。
日常でよく見る「気を使う」「気遣う」は動詞形。「気遣い」は名詞形の違い…
ちょっとわかりにくいですが、結局のところ「気遣う/気遣い」は「動詞形・名詞形」では区別できないようです。
では、「気を使う」と「気遣い」の意味と含まれるニュアンスについてみてみましょう。
広辞苑では次のように書かれています。
気を使う:周囲の人や物事に、細かく心づかいをする
気遣い:あれこれと心をつかうこと。心づかい。懸念する。心配する。
似ていますが、気遣いは心配や懸念のニュアンスが含まれているのがポイントですね。
ザックリと違いを分けるとするならば
相手への思いやり・不安といったニュアンスが含まれているのが「気遣い」
相手への配慮・良い結果を出すための計算といったニュアンスが含まれているのが「気を使う」
といったところでしょうか。
この記事では相手への思いやりが含まれた「気遣い」だけでなく、他者からの評価が得られる計算高い「気を使う」方法をまとめて紹介します。
実は『気遣い』は高度な技術
「気を使う」「気遣い」2つに共通するのは、相手の立場・情報・仕草・癖・習慣などを発見分析して相手への場面ごとの最良の結果を出すことです。
具体的な例として
ズボンのチャックが空いている人がいた場合、人目のあるところで指摘してしまうと相手に恥ずかしい思いをさせてしまいます。
しかし、あえて伝えない。または本人だけに伝えるなら、相手が恥ずかしい思いをすることはないでしょう。
相手が困っているときに助けるのが「気遣い」ですが、相手の都合が悪い時に行動しないのも「気遣い」になります。
ズボンのチャックはどのような行動が正解かわかりやすいですね。
しかし、もっと複雑な状況に出くわしたら最善の選択肢は選べるでしょうか?
・時・場所・場面の判断
・困っている状況や原因
・当事者同士の人間関係
・相手と自分の信頼関係
・相手の社会的立場
などなど、多くの情報を踏まえたうえで自分にできる相手への行動を判断しなくてはいけません。
もちろん、プラスの結果ならば好印象を持たれるでしょうし、ネガティブな結果ならば、大きなお世話・うざい・邪魔といった悪いイメージを持たれます。
つまり、『気遣い』は培ってきた経験や技術を用いて出来る処世術の一つです。
ちなみに、このような様々な情報から自分や他人の『心理的な背景を読み取る能力』は『メンタライゼーション』と呼ばれる心理学の概念一つです。
マインドや精神論で気遣いができる人になれるわけではありません。
『相手の立場になって考えよう!』『心に余裕を持ちましょう!』と漠然としたイメージではなく、身近な人物の習慣・癖・表情・持っている疾患など、様々な情報を得て気遣いを実践してみることが近道です。
『気遣いの練習相手は友人・家族』が手っ取り早い
まずは、親しい友人や家族で気遣いを実践してみましょう。
すでに様々な情報や勝手がわかっている友人・家族は、見ず知らずの人より気遣いしやすい人物なので、練習相手にはもってこいですね。
知っている情報から、相手の行動を推理したり、やってほしそうなことを考えたり、習慣や癖を見極めてみましょう。
「漠然としてわかりにくい…」と思われるので、具体例を挙げてみます。
気遣いは具体的にどんなこと?
具体例1、持病を持つ相手に対して
慢性的な疾患を持つ人は、薬を飲む時間がほぼ決まっています。
食事をした後、就寝前、症状が出始めてから、いつも飲んでいる時間。または相手が薬を取り出す仕草が見えたら、コップに水を入れて持ってきておくと気遣いができていると言えるでしょう。
基本的に薬は水なしで飲むのは危険です。そして、冷たすぎる水や熱すぎる湯は薬の効果が薄まったり、本人の身体を冷やしてしまったりします。
常温・ぬるま湯を持ってくると更に良いでしょう。
具体例2:後日、相手へお金を渡す場合
財布から直接お金を出して相手へ渡すと"人によって"不快な気分を与えるかもしれません。
親しい友人同士でのその場での貸し借りならば問題ないと思いますが、イベントの参加費など事前から渡す必要があったお金に関しては封筒等で包んで渡すとよいでしょう。
受け取る側は、封筒ごとお金を管理できますし、お金に対して嫌らしいイメージを隠すことができます。
人目がない場所ならば、「私金額間違えてないかな」と自分の再確認と見せかけて相手に中身の確認をしてもらってもよいでしょう。
具体例3:機嫌が悪い相手に対して
あえて何もしない、無言、その場を離れるという行動。
機嫌が悪くなる原因・理由がわからなければ機嫌を直すことはできませんし、そもそも本人自身がなぜ機嫌が悪いのかわかっていないことが殆どです。
また、相手が不機嫌だからと困っているとは限りません。
相手の都合が悪いとき、あえて何もしない選択も気遣いになります。
気遣いの正解は1つではない
どれも私の"気遣い"とは異なるけど?
どれも解答例の一つだと思ってください
気遣い出来る人の考え方は『困っている人の状況』『相手の心理的背景』『自分ができる行動』の3つからなっています。
ためしに具体例1を3つに分けてみますね。
困っている人の状況
「慢性的疾患を持っている」「薬を常飲している」「薬を飲もうとしている」
相手の心理的背景
「水がないと飲みにくいだろう」と想像する
自分ができる行動
「よろしければお水をどうぞ」とコップを差し出す
このように3つに分けて分析をするとわかりやすいですね。
人によって想像する内容は異なるので解答も人によって変わります。後は、今までの経験から『それが相手が求めていることか』を判断することが重要です。
見ず知らずの人ならば、容姿・表情・声のトーンなど目に見えてわかるヒントを用いて最良の行動を選ぶとよいでしょう。
見返り・下心・自分の利益は考えてOK
『気遣いできる人は利己的ではない』という意見をよく見ますが…
気遣い・気を利かせる・気を使う上で、自分への利益を考えてもOKです。
技術を鍛えるうえで何か自分へのメリットが無ければやる気が起きない人もいるでしょう。
ただし、感謝の言葉や物理的なお礼を期待してはいけません。
じゃあ何を利益にしろと?
相手からの信頼を得られることです
相手からの信頼・信用・安心感を得られるということは、いざという時助けになってくれるかもしれないということです。
「あの人はいい人だから親切にしてあげよう」「あの人がいると皆が安心するから仲良くしておこう」「いい人だから色んな人に紹介しておこう」などなど
自分の味方を増やしたり、人脈を広げたりするメリットがあります。
しかし、感謝の言葉や物品を要求すると「あの人はがめつい」「親切の押し売りだ」とネガティブな印象になってしまいます。
そのため、気遣いしたのにメリットが得られなかった人は「今回は正しい選択が選べなくて相手の好感度を得られなかった。次からは選択を間違えないようにしよう」と考えておきましょう。
一種のクイズのような感覚で"気遣い"を楽しんで、オマケで相手から信頼を得られるって感じですね。
気遣いができる人=優しい人物ではない
ここまで見れば気遣いできる人がどんな能力を持っているのか、どのようなメリットを与え得ているのかがわかったと思います。
そこで注意したいことが「気遣いができる=優しい人」という先入観です。
この能力を鍛えれば気遣い・気を使うことが上手くなる。言い換えれば、能力を持っていればどんな性格の人でも気遣いの技術を扱えるということです。
そのため、気遣いできるからと言ってその人が優しい人かどうかはわかりません。※もちろん中には優しい人も存在します。
例えば、結婚詐欺などの犯罪は「相手を信頼させて油断したすきにお金をだまし取る」と言ったような"気遣いの悪用"が可能なのです。
結局のところ、気遣いができる人というのは、人格者というより処世術に長けた人物です。
気遣いできる人の特徴となるためのポイント
立派・尊敬すべき・優しいといったイメージが持たれる「気遣い出来る人物」
実態は相手の状況や心理的背景から最良の選択を選べる能力(メンタライゼーション)に長けた人物です。
メンタライゼーション能力を鍛えるほどで気遣いが出来る人に近づけます。
場面に合わせて『困っている人の状況』『相手の心理的背景』『自分ができる行動』の3つを考えて実践してみましょう。
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