ニンニクで腸内細菌が死滅?栄養は殆ど含まれない?意外と知らないニンニクの怖い副作用

ニンニクと言えば、スタミナがついて健康に良い!とされています。
食欲をそそる香りと体に良いとされ古今東西、愛され続けている食品です。
さて、アナタはニンニクについてどれだけしっていますか?
今回は「ニンニクに含まれる成分」「ニンニクの効果のウソホント」「ニンニクの副作用」を解説します。
時に薬。時に身体を破壊するニンニクについて知っておきましょう!
ニンニクに含まれる成分
「ニンニクは体に良くて栄養バツグン!」
こんな文字列をたまに見かけますが…
「ニンニクに栄養素はほとんど含まれていない」です。
生ニンニクの成分(可食部6g当たり )
エネルギー | 8kcal |
水分 | 3.8g |
タンパク質 | 0.4g |
脂質 | 0.1g |
炭水化物 | 1.7g |
カリウム | 31mg |
リン | 10mg |
ビタミンB1 | 0.01mg |
大体、一片6gくらいです。 どの栄養素も豊富とは言えない数値です。
※「100g当たり」じゃないのは、そんな大量に食べたら即ぶっ倒れるからです。
ニンニクは「非栄養性機能物質」と「香辛料」の役割がメインですね。
栄養として働かないけど薬として働く化学物質。
言ってしまえば、漢方薬みたいなものです。
有名な成分は「アリシン」ですね。
ニンニクには「アリイン」という硫黄を含むアミノ酸が含まれる。
調理によって細胞が破壊されると「アリナーゼ」と言う酵素が「アリイン」と結びつくことで「アリシン」になる。
「アリシン」は、硫化アリルと呼ばれニンニクの匂いの元になる成分。
また、強い殺菌作用があります。
この成分がニンニク=天然の抗生物質と言われる所以です。
その他成分を全て説明すると化学の話になってしまうので、それより気になるニンニクの効果を見ていきましょう。
ニンニクの効果ホントorウソ?
がん予防になるって本当?
一部のがんに効果があると言われている。
アメリカのがん予防のための国家プロジェクト「デザイナーフーズ計画」で、がん予防に効果がある野菜として最も注目を浴びたのがニンニクです。
ニンニクを多く食べる地域では胃がんによる死亡例が少なく、逆に食べる機会が少ない地域だと死亡例が高いとされています。
しかし、臨床試験での検証はされていません。今後、しっかりしたデータが出てくる可能性が高いです。
血液をサラサラにするって本当?
血液を固まりにくくする作用がある。
ニンニクに含まれる成分に、医薬品「アスピリン」と似た作用があります。
心筋梗塞や脳卒中の原因になる動脈硬化の進行を遅らせる効果が分かってきました。
しかし、副作用として血が止まりにくくなる可能性があり、出血性疾患や歯の治療予定がある場合は注意が必要です。
また「血液サラサラ」は医学的な用語ではなく、メディアが作った「健康的な血液のイメージを表した言葉」なので好ましい表現ではありません。
血行が良くなるって本当?
血管を拡張させ活性化させる作用があるとされている。
そのため血行改善や血圧低下の効果があります。
先ほど解説した血液を固まりにくくする効果と合わせ、適切なニンニクの摂取は正常な動脈機能を維持すると言われています。
ニンニクを日常的に食べる地域では、心血管疾患による死亡率が低いとされ、ニンニクと疾患に関係性があるのでは?という声が上がっている。
しかし、怪我や手術、内臓の出血等が止まりにくくなることから最も注意すべき副作用でもあります。
ニンニクの副作用
基本的にニンニクは殆ど人にとって安全な食品です。
ただし、大量摂取した場合は別です!
最悪の場合、病院送りになる可能性があります。
・腹痛
・下痢
・貧血
・頭痛、めまい
・肌が荒れる
・アレルギー反応
今回は、特に気を付けたい3つの副作用を解説します。
副作用1:胃壁が破壊され胃潰瘍と似た苦しみを味わう
ニンニクが消化器官を刺激、炎症させることで胃壁にダメージを与えます。
実質、胃潰瘍と同じ症状なので痛みや苦しみも似ています。
生ニンニクの刺激は強く、皮膚に6時間以上接触し続けると水ぶくれや炎症。さらに深刻な皮膚病変が発生する事がわかっています。
もしも皮膚でなく、粘膜だったら…と考えると怖いですね。
副作用2:腸内細菌が大量に死ぬ
ニンニクは天然の抗生物質と言われるほど殺菌作用が強いです。
適量ならば問題ありませんが、大量摂取すると腸内の共生菌。いわゆる腸内フローラのバランスを破壊してしまいます。
健康に欠かせない善玉菌が少なくなると免疫細胞が暴走したり、多くの病気の元になったり良いことはありません。
ニンニクは、人体の腸にいる善玉菌・悪玉菌・日和見菌を見境なしに攻撃するデストロイヤーですね。
腸内環境を治すのに大便を移植するって本当?
ほぼ無いと思います
ニンニクや抗生物質の過剰摂取で腸内細菌が全滅することはありません。
よって、一時的にバランスが乱れても元に戻ります。
糞便移植(Fecal Microbiota Transplantation: FMT)は、他人の大便から菌液を作り注入する一部の病気に対して行われる治療の一つです。
いまだに未確定な治療ですし、日本では保険が適用されません。
死亡例や感染症を引き起こした事例もあるので、わざわざ糞便移植するより入院措置のほうがリスクも低いでしょう。
最も怖い副作用:出血が止まらなくなる
ニンニクの良い効果とされる「血液の固まりにくさ」
言い換えれば「出血が止まりにくくなる」ってことです。
指先を切っただけでも血がドクドクと止まらず出続ける…苦手な人だと卒倒しそうですね。
特に「抗凝血薬などの一部の薬の服用中」「歯の治療予定」「出血性疾患」がある人は摂取に注意が必要です。
同様に手術前後のニンニク摂取はオススメされていない行為です。
まとめ
ニンニクは、一部の病気やガンに効果があると注目されている食品です。
しかし、「ニンニクは体にいいから食べ過ぎてもいい」は間違いです。
ニンニクは「薬として働く作用と香辛料の役割」を目的に摂取する食品です。
薬と同様、健康のために適切な量を摂取することが大切です。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
参考文献
微量栄養素情報センター:ニンニクと有機硫黄化合物
統合医療情報発信サイト:海外の情報 ニンニク
西日本新聞:他人のうんちで病気を治す…驚きの治療法に注目 大腸に便移植、うつ病やアトピーに効果も
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