牛乳や乳製品が身体に悪いって本当?嘘?牛乳に関するアレコレ知識

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牛乳や乳製品が身体に悪いって本当?嘘?牛乳に関するアレコレ知識

一昔前では「牛乳は体に良いからたくさん飲め!」と言われていましたが…

最近では、乳製品は体に悪い!牛乳を飲むとガンになる!と悪いウワサが絶えません。

「牛乳・乳製品は一切禁止」とすべての乳製品を避けている人も存在ほど

乳製品否定派の意見が強くなってきています。

そのため、第三、第四の牛乳として、植物性のミルクが人気となりつつあります。

身近な植物性ミルクといえば、ダイズから作られる「豆乳」ですね。

他にアーモンドミルク・ライスミルク・ココナッツミルクなど様々なモノが人気です。

まるで、動物性の牛乳を避けて植物性ミルクに乗り換えているように見えますね。

さて、「牛乳は体に悪い」は、本当のことでしょうか?

早速見ていきましょう。

実は牛乳の栄養バランスは悪い

カロリーが高いとか身体に悪い成分が入っているとか、そんな話はおいて置いておきます。

高カロリーと言い出したら、普段食べているお菓子とかどうなるの?となりますからね。

そんなことよりも知っておきたいことが…

そもそも、牛乳の栄養バランスは悪い!

といったほうが説得力あります。

いきなり否定から入ってしまいましたが…

なんと 事実です!

 

まず、牛乳と言ったら想像する栄養が「カルシウム」ですね。

牛乳を飲むと骨が強くなる!なんてよく聞いたものです。

しかし、実際は「カルシウム」だけでは骨は強くなりません。

もう一つの栄養素「マグネシウム」とのバランスが重要です。

 

「マグネシウム」は、カルシウムとの相互作用で骨の発育を促し

「疲れやすい」「うつ」「イライラする」という症状を抑える精神安定剤の役割を持ちます。

ほかに「動脈硬化」「血圧・体温調整」「体内酵素の活性化」等。

人体の中で活躍する必須ミネラルの一つです。

 

話を戻して「カルシウム(Ca)」と「マグネシウム(Mg)」のバランスが重要だといいました。

ミネラルバランスが崩れると健康に影響を与えるためです。

更に「カルシウム」は「マグネシウムの吸収を阻害する」と言われています。

理想のバランスは、カルシウム2 対 マグネシウム1 が理想とされています。
※他に「1.5 対 1」「1 対 1」が良いという意見もあります。

カルシウムは悪い栄養素ってこと?

いや、カルシウムも必須ミネラルの一つだよ

稀に「マグネシウムの吸収を阻害する」というイメージのせいでカルシウムを避けようとする人がいますが

カルシウムも大切な栄養素の一つです。

大切なのは「カルシウムとマグネシウムのバランス」です。

さて、それでは牛乳の「カルシウムとマグネシウムのバランス」は?というと…

200mlの牛乳に含まれるCaとMg

カルシウム:約200mg
マグネシウム:約20mg

カルシウム10 対 マグネシウム1です!

ほかの食品はどうなの?

よく食べる食品は次の通りだよ

その他食品のカルシウム(Ca)対マグネシウム(Mg)

・アジ  2 対 1
・サンマ 1 対 1
・大豆 4 対 5
・ブロッコリー 6 対 4
・ほうれん草 4 対 5

どれも身体によいとされる食品たちですね。

特に魚のミネラルバランスは理想的なことがわかります。

そして、牛乳のように大きい差はありません。

このことから、牛乳はミネラルバランスが悪いと言えるでしょう。

牛乳は日本人の身体に合わないって本当?

日本人に限らず、世界的に見て「牛乳が身体に合わない人」は存在します。

牛乳・乳製品を食べるとお腹が緩くなった経験・体重が増えた経験はありませんか?

原因は、動物性の母乳に含まれる乳糖(ラクトース)です。

乳糖(ラクトース)を消化吸収できずに下痢や体重増加の症状が発生します。

これを「乳糖不耐症」と言います。

人間も哺乳類だから母乳飲んでるじゃん!

赤ちゃんの頃は大丈夫!

もちろん、人間の母乳にも乳糖は存在します。

しかし、乳糖を分解できる酵素(ラクターゼ)を持つのは授乳時だけで、成長と共にラクターゼの活性が低下します。

つまり、乳幼児の時は大丈夫!でも、離乳してからは消化吸収がしにくくなるよ!ということです。

人に限らず、ほとんど哺乳動物は離乳するとラクターゼの効果が薄くなります。

「犬猫に牛乳を与えてはいけません!」と言われる理由の一つです。

問題なく牛乳が飲める人が存在するのは、乳糖不耐症の進行が遅い。

または、乳糖を分解できる酵素(ラクターゼ)が機能し続ける「ラクターゼ活性持続症」などが理由です。

なので、「牛乳は日本人に合わない!」というより「生理機能的に合わなくなる」といったほうが正しいでしょう。

牛乳は体に悪いものってこと?

2つ続けて牛乳・乳製品を否定することを書きました。

しかし、これだけで「牛乳をすべて否定する」ことはもったいないです。

なんといっても美味しいですし、料理には欠かせない存在ですからね。

今の生活から牛乳・乳製品をすべて除外するなんて、ほぼ不可能でしょう。

牛乳・乳製品好きな人だとストレスがたまる原因にもなります。

そこで「牛乳に対する悪いイメージの払拭」をしていきます。

 

牛乳はしっかりと栄養がある—

乳製品は、ミネラルバランスは悪いと先ほど書きました。

でも「栄養が一切ないわけでない」です。

牛乳は、値段も手ごろで様々な栄養素があります。

栄養バランスが悪い食品なんてたくさんあります。例えば、スナック菓子などの嗜好品は筆頭でしょう。

砂糖大量・塩分大量・中毒性が高いお菓子に比べたら、牛乳はまだマシです。

ならば、「牛乳を嗜好品の一つとして楽しむ」と考えてみてはどうでしょうか?

健康目的で無く、娯楽品の一つとして楽しむ。

ストレスをため込むことなく乳製品を食べることができます。

身体に合わない人、無理に飲む必要がない人は飲まなければ良いだけです。

牛乳の豆知識

「牛乳は体に悪い」と関係ありませんが…

知っておくと便利なスーパーの牛乳コーナーで「本物の牛乳を見つける方法」紹介します。

実はスーパーやコンビニの牛乳売り場は・・・

「牛乳と牛乳風乳飲料が混ざっておいてあります」

牛乳風乳飲料は、本物の牛乳に似せた乳製品のことです。

もしかしたら、安いからこれでいいや~と思っている牛乳は牛乳ではないかもしれませんよ?

 

牛乳の見分け方—

その1、牛乳パックのくぼみの有無

牛乳パックを観察すると「あけくち」の部分に凹みがあることがわかります。

中身が生乳100%の牛乳にだけついた印です。

乳飲料では、凹みはありません。

2001年頃に、視覚障碍者へのバリアフリー設計として考えられたものです。

有名なので知っている人は知っていると思います。

が、一つだけ注意点として「あくまでメーカー側の任意表示」なことです。

凹みがないから牛乳じゃない!と一概に言えません。

もっと確実でわかりやすい方法があります。

 

その2、牛乳パックの表示を見る

くぼみで判断するより、とっても単純でわかりやすいです。

生乳100%の牛乳は「牛乳」と明記されています。

牛乳風乳飲料は、パッケージのどこかに「乳飲料」と明記されています。

牛乳と名乗れるのは「生乳100%の牛乳」だけです。

更に成分表を見ると「無調整」「調整」「低脂肪」「無脂肪」牛乳の種類が書かれています。

当たり前だろ!

何気なく見るとわかりにくいデザインが多いです

牛乳っぽいデザインで「濃厚系ミルク」と書かれていたら、生乳100%と勘違いしてしまいそうです。

じゃあ「濃厚系ミルクはダメなのか?」というとそういうわけでもなく。

ケーキ・パンケーキなどのお菓子作りで活用ができる利点もあります。コーヒーで割って飲んでもよいでしょう。

しかし「牛乳を味わいたい」「ヨーグルトを作りたい」という場合は、「濃厚系ミルク」はやめておきましょう。

まとめ

結論「牛乳・乳製品は身体に悪い」と言い切れない。

現在の科学・研究では「牛乳は絶対に体に悪い!」と言い切れません。逆に「身体に良い!」とも言い切れません。

・ミネラルバランスが悪いが、栄養がない、身体に悪いわけではない。
・牛乳は「無理に飲む必要もなく」「無理に辞める必要もない」です。
・自分の体質と相談して飲むかやめるか決めましょう。

科学が進歩して「なんらかの発展」があったときに改めて「摂取し続ける」か「やめるのか」を考えても遅くはないかもしれません。