マーカーで描く音が苦手?なぜ特定の音が不快に感じてしまうのか6つの理由!

キーキーと擦れ合う音。他人のいびき。鼻をすする音。
背中がゾワゾワしたり、気分が悪くなったりする音ってありますよね?
音がヒトに与える影響は多いとされ、身体の調子を整える良い効果もあれば、生活が困難になるほど悪い効果を与えることもあります。
さて、今回は「なぜ雑音を不快に感じるのか?」音が人に与える影響を交えて6つ紹介します。
多くの人が不快に感じる雑音
・黒板をひっかく音
・自転車のブレーキ音
・発泡スチロールが擦れる音
・子供の金切り声
・咀嚼音(クチャラー)
・肌をこする音
・蚊の羽音
・痰を吐く音
・鼻をすする音
・歯ぎしり
・スマホの着信音
などなど…
見るだけでゾワゾワ・気分が悪くなる・パニックに陥りそうになりますね。
一方で、このノイズを「ASMR」や「リラックス音源」等と称して楽しむ文化があります。
もしかしたら「不快音」と一言で表すことは難しく、音への感情は人によって異なり、不快になる理由がそれぞれ違うのかもしれません。
これらを踏まえて「なぜ不快に聞こえるのか?6つの理由」見ていきましょう。
1:ヒトの耳が最も敏感な周波数
人間の耳が聞き取れる音は、20Hz~20000Hzの間。
その中で最も反応しやすい帯域が2000~4000Hzと言われています。
例を挙げると、
赤ちゃんのギャン泣き声、女性の悲鳴、セミの鳴き声など
一説では、人類が進化する前のサルの時代において「危険を知らせる鳴き声」の周波数と同じだと考えられています。
天敵や災害から身を守るための「本能的に不快に感じる音と似ている」ってことですね。
似た理由で、赤ちゃんの泣き声が耳に残るのは、両親や周囲の人の気を引くためと言われています。
また、赤ちゃんの泣き声が大人に与える影響として「反応速度や身体パフォーマンスの向上」があります。
例えば、電車・飛行機等の密閉空間での泣き声
赤ちゃんの声を聴くと無意識に身体が反応してしまって警戒モードに入ってしまう。親でない人にとって、泣き声に対する問題が解消出来ないことがフラストレーションになってしまう。と考えることできます。
2:日本と海外 文化の違い
蕎麦やラーメンをすすって食べても許されるのは日本特有の文化です。
多くの日本人にとって、ラーメンをすすって食べる音は食欲をそそりますよね?
しかし、一部の日本人や海外から見るとマナー違反であり、食欲を減衰させる音と感じる人が多いです。
いわゆる「ヌードル・ハラスメント」と呼ばれています。
国内でも問題になっていますね。
この問題は平行線で結論は有りませんが…
言いたいことは文化の違いや風習によって不快音の判断基準が異なるってことです。
3:ミラー・ニューロンの存在
ミラー・ニューロンとは、他の個体の行動を見て、まるで自分が同じ行動をしているかのように「鏡のような反応」をする高等生物の脳内の神経細胞のこと。
現在、マカクザルから発見されているが、人や鳥類にもミラー・ニューロンはあると考えられている。
分かりやすく言えば「もらいゲロ」を引き起こす神経細胞があるかもしれないって話です。汚いですが…
この神経細胞の存在から、嘔吐や痰を連想する音を聞いて、自分も気持ち悪くなってしまう。だからその音が不快だ!と考えることができますね。
4:トラウマや精神障害によるもの
「怒鳴り声」「災害を連想する音」「誰かが喧嘩する声」「スマホの着信音」
これらの音で恐怖/不安を感じた経験があるのではないでしょうか?
音によって身に迫る危険を思い出してしまう。または、無意識に体が反応してしまう。この症状は、パニック障害や強迫性障害、トラウマ(PTSD)など、いわゆる不安障害の症状と同じです。
不快音だから精神的に悪影響を与えるというより…
精神に悪影響だった音だから不快に感じてしまうと言ったほうが良いでしょう。
5:無意識の認知機能によるストレス
例えば、電車内での電話の会話。
ヒトは、話の内容に関係なく興味が無くとも、無意識に他者の会話に意識を持っていかれます。
しかし、他者の電話だと聞き取りにくい単語や内容など断片的な情報しか得られません。
話の展開を予想しようとしたり、理解しようとしたり、脳がその声を大きく聞こうと意識を集中させます。
マナーを守れず大声で話しているから不快。というより…
話の内容が理解しにくいフラストレーションと脳がその声が大きく感じさせてしまうから不快感を覚える。と言えます。
静かな部屋で会話が聞こえたら、意識に関係なく聞き入ってしまうって感じですね。
6:社会ルールへの意識の強さ
不快音を感じてしまう原因は「自分の意識の高さ」かもしれません。
ミソフォニア(音嫌悪症または音恐怖症)という特定の音に対して怒りや憎しみや嫌悪を覚え、日常生活が困難になる精神障害があります。
それを原因解明、影響、治療法を研究しているアーヤン・シュローダー(Arjan Schroder)という精神科医による次のような話があります。
「ミソフォニアは規範意識とも関連しています」とシュローダー。「大きな音を立ててモノを噛む人がいたら、『モノを食べるときには口を閉じるべきだ』、あるいは『もっと静かにキーボードを打つべきだ』など、行為の正しさの評価にもつながります。ミソフォニア患者の大多数に、少々厳格で、強迫神経症的な性格が認められます」
VICE: なぜ私は他人の咀嚼音がどうしても許せないのか
例えば
・口を開けたまま咀嚼音を出し続ける通称「クチャラー」に対して、口を閉じて食事をしろ!
・クシャミや咳払いの声が大きい人に対して、口を押えるか声を小さくしろ!
と考えたり注意した経験はありませんか?
要は、自身の社会ルール意識が高すぎて他人に対して不快感を覚える。更にその音に対して不快に感じてしまう可能性がある。と考えることが出来ます。
念のため言っておきますが、社会ルールへの意識が強いことは悪いわけでは無いです。
意識が強すぎると日常生活に支障が出る可能性があるってことです。
不快音は人によって違う
特定の音を不快に感じてしまう原因6つ紹介しましたが、いかがだったでしょうか?
ザックリまとめると
雑音は元から不快ではなく、不快に感じてしまう個々人の要素が強いってことです。
これらの不快音を回避する方法は、人によって異なります。
一番手っ取り早いのは、耳栓を付けて出来るだけ聞かないようにすることですね。
参考文献
・英新聞The Guardian:Why crying babies are so hard to ignore
・日本では蕎麦等をすする際、音を立てても許されるが、日本以外の国または地域にも食べる時に音を立てて許される文化があるか。
・The New York Times:Cellphones as a Modern Irritant
・VICE:なぜ私は他人の咀嚼音がどうしても許せないのか
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