台風15号のガチ被災者が教える!知っておきたかった台風対策と防災

9月 20, 2019Lifehack, 防災・予防・被害対策便利な情報, 台風, 被災, 防災情報

昨年9月、西日本を襲った台風21号に引き続き、今年の9月に発生し東日本(主に南関東)を襲った台風15号。

台風の恐ろしさは分かっているつもりで、防災グッズ・非常食・非常灯を常備していました。

TVのニュース、災害防衛サイト、twitterの情報をできる限り揃え「自分のできる範囲の防災」をやっていたつもりです。

が!

実際に被災をしてみると・・・

「誰も教えてくれなかった対策方法」「やっておくべきだった事」が明確にわかりました。

今回は、私の実体験に基づいて「やっておきたかった」「やっていた」台風に対する防災対策を紹介します。

私の被害

自分語りなので、読み飛ばしても構いません。最後の2行だけ読んでおけばOKです。

実際の体験談は、別記事でまとめておきます。

・停電10日以上(周囲は2~3日目で通電済み)
・瓦屋根が一部破損(瓦割れと雨漏り
・水やガスは通っている
・スマホ回線が微弱、または圏外

停電と屋根の破損以外は、通年の台風よりも若干酷い程度の被害でした。

近所では、電柱が倒れたり、家屋が倒壊したりするほど目に見えた被害はありませんでした。

ですが、数km離れた場所では電柱がなぎ倒され家の屋根が吹っ飛ぶ程の被害があったそうです。

「たった数kmの違い」で、被害が大きく違う。まぁ…km単位ならば、被害の大きさが違っても理解できる範囲内です。

ただ私の場合は「たった数メートルの違い」で被害が大きく違ったこと。

そして、「建物の構造・防災グッズを考えても全く関係ない、誰でも起こりえること」が原因でした。

停電の原因は飛来物

原因その1

先ほども書きましたが、「私は」普段から、自分のできる限りの防災対策はしていたつもりです。

しかし、いくら台風対策したところで、どうしようもできないことは

「風で飛ばされた物体」です。

自分の管理範囲外から飛んできて、家屋・電柱を破壊する彼らはインベーダーまたは、エイリアンといったところでしょうか。

他人の管理するところから飛んでくる物体は、どうやっても対策することができません。

そして、彼らが「たった数メートルで被害が変わったことの原因」です。

住宅地では、電柱・電線が各家庭ごとに行き届くように配置されています。
そのうち、数本の主要な電柱が破損してしまうと、同じ住宅地でも電気が通る家と通らない家がはっきりと分かれてしまいます。

私の場合は、分譲地でしたが、マンションでも似たようなことが起きるはずです。

飛来物が主要な電柱に当たり壊れた為

周囲が復旧しても私の家を含めた数軒だけは何日も停電が続いていました。

自分の家は停電なのに後ろの家は煌々と電気がついている、なんとも言えない光景です。

原因その2

電柱が壊れたなら、電話で問い合わせればいいじゃん!

と聞こえてきそうですが、あからさまに倒壊・断線しているならば、被災当日に連絡ができたでしょう。

しかし、素人が見て”変化がわからない破損”だった場合は、話が別です。

破損が分かったのは、数日経過して周りが通電した時でした。私の家を含めた数軒だけが通電していない状態。

何かおかしいと東京電力に連絡したところ、迅速に業者の方が来てくれて次の言葉を言われました。

「変圧器の部品が壊れていて危ない状態。応急処置はできるが、部品がないと修理ができない。」

被災当日に連絡できていたならば、もしかしたら修理できていたかもしれません。気づいたときには遅かったということですね。

先ほど知りましたが、まばらにある停電の原因は各地の電柱が破損しているからだそうです。

素人考えですが、もう少し早い段階で破損に気づくことができれば、迅速に連絡ができて通電が早くなったかもしれません。

飛来物に対しての対策方法

対策方法というより「やっておきたかった事」です。被災してからでは遅いです。

先ほども書きましたが、「自分の管理外からの飛来物には対策方法がありません」

ニュースで有名な市川市のゴルフ練習場の倒壊での民家破損と同様です。

あったとしても、シャッター・雨戸を閉めて、家屋への被害を少なくする程度でしょう。

しかし、電柱が破損したら電気は止まります。

※私がそうであったように。

あからさまな破損は見てわかります。

が、素人目でわからない小さな破損はどうしようもありません。

なので、「家周辺の電柱の写真を撮っておく」ことが数少ない対策方法の一つだと思います。

「家周辺の電柱の写真を撮っておく」ことができれば、

写真と見比べて破損の有無を判断できるはずです。

ついでに電柱の識別番号である「電柱番号(地域名 + 数字)」をメモしておけば瞬時に判断ができます。

普段見ているから形くらい覚えているよ!

と突っ込まれそうですが、

台風の被害で「電柱だけでなく周囲の環境も少なからず変わっています」

街路樹が倒れている、電気が止まっている、周囲の人がパニックに陥っているなどなど…

電柱の小さな破損があっても、周囲の変化で元々の形がわからなくなってしまうなんて簡単でしょう。

2019/09/16追加—

8日経ち、”また”復旧作業のための作業車がやってきましたが、電柱はまだ治らず停電生活は続いている状態です。

どうやら東京電力と地域担当の間で連絡ミスがあったようで「伝えた内容」と「実際の破損箇所」が上手く伝達していないようです。

似たような問い合わせが多く、混乱が多いようです。

作業者と会話する機会があり、初めて知った…いや再確認できたことを紹介します。

どうやら「区画ごとに分かれていて、その一部程度の停電なら、区画は復旧済みという扱いになる」らしいです。

正確には「東京電力の停電情報システムで停電が認識されないならば復旧扱い」です。

分かりやすいイメージ図が香取市のホームページにあります。

ということは、次のようなことになります。

一部が停電のままでも、主要な通電さえしていれば復旧済み扱い

復旧済み扱いなら、別の地域(区画)の復旧作業を優先する

一部の復旧は後回し

復旧が遅れているところを優先するのは当たり前といえば当たり前です。

地域全体の復旧が終わっても一部の場所では停電のまま

つまり!

被災支援の規模が小さくなるけれど一部は依然として被災したままです。

これも当たり前と言ったら当たり前ですね。人数が多いほうを優先しているだけのことです。

しかし、数十万軒の停電が次々と治っていく中、取り残されて後回しにされるのは中々精神的に負荷が強いです。大きな数字の下には、少ない数字がいくつも隠れている状態です。精神的に不安定の方・ご年配の方は参ってしまうでしょう。

話が逸れてしまいましたが、

「取り残される前に、復旧扱いになる前に修理してもらう」ことが大切なようです。

少なくとも、「危険な状態で通電されることはなくなります」

「電柱の破損を如何に早く判断して伝える」ために「普段の電柱を写真に撮って再確認できるようにする」ことは重要だと確信しました。

緊急性がない限り外出しない

飛来物の対策法と同様に、被災してから改めて理解できたもう一つのことです。

地震やその他の場合は変わってくると思いますが、

台風ならば「緊急性がない限り外出は控える」です。

避難・病院など緊急の都合がある場合は、外出が必要になります。

しかし、緊急性がないのに「食料の買い貯め」「知り合いに会うため」程度で外出すると、交通事故などに巻き込まれる危険があります。

パニックになった人、更にそんな人が集まる街中に出ることが一番危険です。

車同士の譲り合いなんて皆無、かつ信号機は止まっている状況で安全な運転はとても難しいです。

単に錯乱状態なのか、パニックで本性が現れたのかは置いておいて、

一気に治安が悪くなることは間違いないです。

ちなみに—

被災の状況によりますが、私の地域では、3日~程度である程度の落ち着きがでました。

備蓄食・冷蔵庫の中身がある状態で家屋が無事なら、3日間は外出しなくても過ごせるかと思います。

営業中のガソリンスタンドには近づかない

次いで大切なことが「営業中のガソリンスタンドを避けて外出する」です。

停電時に営業しているガソリンスタンドは、とても希少です。わざわざ遠くからガソリンを求めてくる人もいるほどです。

そして、大渋滞が発生します。

パニック状態 + 道をよく知らない自動車が集まっている状態です。完全に混沌と化しています。

結果、ガソリンを求める人の渋滞で「本当に避難・支援を求める人が動けない」状態になります。

被災時、Twitterや人づてで「○○のガソリンスタンドが営業中!」という情報を知ったら「○○の周辺は大渋滞が発生している」と読み取ることができます。

台風通過後はケガ人が増える

台風が通過している間より、通過後はケガ人が増えます。対処方法は「注意を怠るな」です。

暴風が吹き荒れる中、外に出たら確実に怪我をします。わざわざ自分から怪我、悪くて命を落とす選択をとる人はあまりいないでしょう。

周辺に散乱していた数百本あった釘の一部
午前中に回収した釘は業者に引き取ってもらいました。

暗闇の中で危険物が飛び交う中に立っていたらと思うと怖いですね。

しかし、これよりも注意することは、

台風経過後のパニックと疲労で正確な判断ができなくなっている状態での怪我です。

被災から2~3日目、救急車の音が絶えず鳴り響いていました。

理由は「屋根の修理で転落」「交通事故」「食中毒」など。

先ほども書きましたが対処方法は「注意を怠るな」です。

私は大丈夫!いつも冷静だよ!

と慢心していると大きな怪我に繋がるかもしれません。

屋根の修理・応急処置は、信頼できる業者に頼むと安心です。

無理をせず、出来ないことはプロに任せてしまうのも賢い選択です。

被災復旧「後」の注意点

被災真っ最中の対策と注意は、耳にタコができるほどよく聞くと思います。

「水は一番大事」「便利な防災グッズ」「熱中症に注意」「悪徳業者・泥棒に注意」など

どれも覚えて実行して損は無いです。余裕があるなら是非やっておきましょう。

しかし、復旧後の対策…というか、注意点は知られていません。
これは実際に被災してみないとわからないことでした。

火災保険とかの保険のこと?

いえいえ、もっと単純な肉体的・精神的な話です。

停電・断水など、被災時は非日常的な生活が続きます。

長く続けば続くほど、ストレスが溜まり自律神経がおかしくなり身体に不調が出始めます。

ここまではイメージしやすいですね。

しかし、復旧すると安心からか「精神的な疲れがドッと来ます」

私個人の感想ですが、「今まで味わったことがない疲れの種類」でした。
※イメージしやすく言うなら「あっ…これは明日風邪をひくな…」と確信できるほど

免疫力が無い人・被災生活で身体が弱った人は、簡単に倒れてしまうでしょう。

被災後に更に体調を崩してしまっては大変です。

もしものことを考え、

寝込んでしまっても大丈夫なように準備をしておきましょう。

また、人だけでなく、ペットも非日常的な生活で体調が崩れやすくなります。

動物は人と違い話せません。ペットを飼っている方は様子を常に見て、変化を読み取ることが大切です。

まとめ

台風15号で被災した経験「やっておくべきだったこと」を紹介しましたが、いかがだったでしょうか?

どの被災にしろ、ネット情報や本に乗っている防災グッズと防災は必須です。

今回紹介したものは、非常時になる前にやっておくと有利になることの一つです。

防災グッズを集めるついでに、やっておいてもよいでしょう。

最後に要点だけまとめます。

POINT

1、防災グッズ、防災用品はしっかり揃えておく
2、電柱の形と識別番号がわかる写真とメモを取っておく
3、電柱の破損などはできるだけ早く連絡する。
4、緊急性がなければ極力外出を控える
5、数日たっても気を抜かずに注意しておく
6、復旧後の疲れで倒れないよう注意しておく

台風15号の詳細な体験談は、別記事でまとめておきます。