高さを表すタッパとは?方言じゃありません!実は○○用語!

9月 5, 2019日常の疑問, 言語の面白さタッパとは, 雑学・教養

高さを意味する「タッパ」という言葉を知っていますか?

保存容器のタッパ―ではありません。

サーフィンで良く使う上半身のウェットスーツ…タッパーでもありません。

「あの人、タッパがあってカッコいい!」
「そのタンスのタッパは?」

と使われる、高さを意味するタッパです。

最近では聞く機会も少ないため、死語・方言だと思われがちですが…

実は、元々とある業界用語だったのです!

死語ではなく、今でも使われてる言葉だったのです。

タッパは建築用語

タッパなんて言葉は、死語でしょw
今時、タッパなんて聞いたことない!古臭い言葉!

いえいえ、そんなことはないです!

元々は建築用語の一つです。

漢字で書くと「立っ端」または、「建っ端」でタッパと読みます。

辞書で調べるとスグに出てきますね。

たっ‐ぱ【立っ端/建っ端】
1 建築用語で、高さのこと。「軒の―」
2 一般的な物の高さ。また、背の高さ。「―のある俳優」

出典:デジタル大辞泉(小学館)

なので、死語・方言など関係なく「いつでも使われる言葉」です。

実際、建築科の学生・大工・建築士など、建築に関係する人は、現在でも使っています。

死語・方言と勘違いされる理由

古臭いと感じる原因は、俗に使われなくなったことが原因だと考えられます。

専門用語として使われる。しかし、世間一般では流行っていない言葉=死語

となったものだと思われます。

若い人では、伝わらない人も多いです。

または、周りに建築系の人がいなくなった。のどちらかです。

普段使いしている人がいなくなると、身近な言葉では無くなります。

普段使う言葉が建築用語だった!?

立っ端は、意味が分かる人には伝わる専門用語に戻ったといったところでしょうか。

立っ端の解説は以上です。

それでは、「立っ端」以外で普段使いされている建築用語をご紹介します。

…というより建築用語が由来の言葉です。

覚えて意味あるの?

うんちく・豆知識にどうぞ!

大黒柱

例:一家の大黒柱

説はいくつかあります。

日本家屋の最も太い柱、また、家を支える中心的な役割をもった柱のことから、組織や集団の中心・それを支える人物を表す慣用句になりました。

現在の住宅建築は、大黒柱のような役割を持つ柱は使われていません。

慣用句が有名になり、元々の意味では実際に使われなくなった言葉なのかもしれません。

建前

例:本音と建前

本音に対して、「表向き・公向きの方針」という意味の慣用語です。

建築用語の「建前」が由来の言葉です。

建前とは
主要な組み上げ、また、上棟式のことです。

最近では、上棟式は行われなくなり、実際に見る機会も減りましたのでイメージがつかみにくいと思います。

なぜ語源になったのか?というと、とある物語が語源になったと言われています。

京都に千本釈迦堂という所があります。その本堂を建設する際に、棟梁の長井高次が柱の一本を短く切ってしまい、深く落ち込んでしまいました。それを見かねた妻の亀女が、枡で短くなった分を補えばよいという助言をしたことで夫の窮地を救いました。
しかし亀女は、大工でもない妻によって夫の仕事が成し遂げなれたと知れれば夫の恥になると考え、上棟式を迎える前に自害しました。つまり本堂の建前を無事成功させたと同時に、夫の人としての建前も守れたということです。
その後高次は亀女の冥福と本堂の安全を願っておかめ塚という塔を建てました。今では京都の観光名所として有名です。

引用:「建前」の意味と使い方・語源・「本音」との違い・建築用語 より

哀しくも気高いお話が語源になっていたのですね。

叩き上げ

叩き上げとは、下積みを経て、苦労して一人前になったこと。人のこと。

建築用語の「敲き土(たたきつち)」が由来です。

敲き土は、現代で言うセメントの役割です。

土間の床に使われることが多く、しっかりと叩き固めないと良い土間にならないことから

転じて「下積みから努力して一人前になった人」として使われるようになりました。

几帳面

例:細かい事までメモを取るなんて「几帳面」な人ですね。

物事をきちんと行うさま。真面目な人という意味です。

語源は、平安時代に使われていた「几帳」という家具の細工を表す言葉からきています。

「几帳」は、歴史の教科書で一度は見たことあると思います。

几帳の柱が、布に引っかからないよう面取り細工した部分を「几帳面」と言い、細かで丁寧な仕事の意味として使われるようになりました。

羽目を外す

説は2つありますが、建築用語の方を紹介します。

羽目板の「羽目」が語源だと言われています。

「羽目板(羽目板)」とは、板をきちんと並べて張ること、または、張ったもの。
現在でも使われている、建築用語の一つです。

外壁材として使われていた羽目板を外すと、柱などが丸見えになりカッコ悪い(意匠が台無しになる)ことから

「常軌を逸した行動・度を越した行動」の意味になりました。

と、ココまで書きましたが、もう一つの馬具の説が有力と言われています(笑

まとめ

立端の解説というより、建築用語由来の言葉紹介になってしまいました。

他には、「結構」「うだつが上がらない」「埒が明かない」「釘を刺す」「子はかすがい」等があります。
※語源・由来はいくつか説があり、はっきりわかりません。

普段使っている言葉たちですが、想像以上に多いですね。

覚えたら、今すぐ何かが出来るわけではありませんが、知識の一つとして覚えておくと物事の見方が少しだけ変わります。

元々はこんな意味だったのか~程度でも、知っておくと日常が楽しくなりますよ。